
江戸時代高純度の砂鉄などを原料とした「どう屋製鉄」と呼ばれる仙台藩主導のユニークな鉄造りが数多く行われていた。この「どう屋製鉄」はこれまでは組織的な研究の対象となることが少なく、謎に包まれていた。本書は郷土史、考古学、理工学などの多方面からアプローチを試み、総合的にこの謎を解明した。本書はまた技術史研究についてのひとつの新しい方法を提供するものである。
[目 次]
「みちのくの鉄」刊行にあたって(黒岩俊郎)
1.はじめに(田口 勇)
2.北上山地の製鉄(岡田廣吉)
3.気仙地方の製鉄(梅木卓二)
4.藤沢町ドウメキ沢製鉄遺跡の発掘調査(鴇田勝彦)
5.仙台市根白石地区の鉄滓散布地調査(早坂春一)
6.仙台藩南部の製鉄と藩内鋳物と鍛冶(野崎 準)
7.仙台藩の高炉導入(芦 文八郎)
8.文書からみた仙台藩製鉄史(尾崎保博)
9.どう屋製鉄を再現する(高橋礼二郎)
10.仙台藩内の地質学的研究と製鉄遺跡分布(齋藤努)
11.仙台藩製鉄遺物の年代測定(齋藤 努)
12.仙台藩製鉄遺物の分析科学的研究(田口 勇)
13.執筆者討論会
14.おわりに(田口 勇,尾崎保博)
執筆者紹介
索引
参考資料 仙台藩製鉄関連年表
仙台藩製鉄関連遺跡の所在地点と砂鉄採取地点一覧
本書のための用語解説
元素の記号-日本名-英名
西暦-年号対照表