
酸性紙問題や環境汚染、さらには災害などの危険も懸念されるなか、文書・書籍など貴重な紙史料を未来に伝えるにはどうすればよいか? 本書は、文書館・資料館・図書館などの現場職員から史料修復の専門家、保存科学、環境工学の研究者まで、さまざまな角度からこの問題に取り組んだもの。「いかに遺すか」「どう考えるべきか」など、図書館・博物館・文書館ばかりでなく、資料室や個人史料所蔵者・研究者へ、保存・利用の現場での悩みに直結したノウハウが得られる一冊。
[目 次]
刊行にあたって
序章 記録史料の保存と修復を取り巻く状況
1章 記録材料
記録史料の材料と保存
紙の劣化-酸性紙問題と保存
2章 保存環境
文化財周辺地域の大気汚染測定とその影響
文庫の保存環境・実測と予測
文書館の保存環境管理の実際
3章 史料の保存
文書館における史料保存の現状と対策
自治体における史料保存の試み
4章 史料の修復
漉嵌法による紙史料の修復
被災史料の救助と対策
5章 保存修復に関するQ&A
終章 今後の展望
あとがき
参考資料
本文索引