工学倫理・技術者倫理

技術者が正しく活躍することによって社会に利益がもたらされます。しかし、工学者・技術者の努力が正しい道をたどるか否かは工学者・技術者の倫理規範による所が大きく、少しの油断や判断の間違いが大事故や大被害に繋がります。技術の発展に伴い、その被害規模は指数関数的に大きくなっています。
本書は永年工学教育審査に携わった著者が日本技術士会の提唱する技術者倫理の七原則と九義務について説明するものです。

　　はじめに

1　倫理科目の展開
　　　　技術者倫理・工学倫理科目
　　　　「生命倫理」
　　　　　　JABEEとABET
　　　　PE資格・CEng資格
　　　　倫理規定，技術者倫理の七原則，九義務
　　　　練習問題1

2　技術者に課せられた七原則
　　　　公衆優先原則
　　　　持続性原則
　　　　有能性の原則
　　　　真実性の原則
　　　　誠実性の原則
　　　　正直性の原則
　　　　専門職原則
　　　　練習問題2

3　研究者倫理
　　　　研究者倫理の歴史的背景
　　　　国内学協会の研究者倫理
　　　　“研究者倫理”の実効性
　　　　研究不正を防ぐ方法
　　　　 続発する不正研究
　　　　研究不正を防止するための外国の取り組み
　　　　結語
　　　　練習問題3

4　公衆優先原則
　　　　本田技研工業のCVCCエンジンの開発
　　　　インドボパール化学工場爆発事故
　　　　大阪エキスポランドジェットコースター風神雷神Ⅱ事故
　　　　練習問題4

5　持続性原則・有能性原則
　　　　地球温暖化問題と持続性原則
　　　　水俣病事例と有能性原則
　　　　練習問題5

6　真実性原則・誠実性原則
　　　　福島原発事故と真実性原則
　　　　杭工事不良と誠実性原則
　　　　練習問題6

7　正直性原則・専門職原則
　　　　ドイツ車の排気ガス規制のがれと正直性原則
　　　　耐震強度構造計算書偽装事件と正直性原則
　　　　談合と専門職原則
　　　　練習問題7

8　技術者の九義務
　　　　注意義務
　　　　規範遵守義務
　　　　守秘義務
　　　　協同義務
　　　　練習問題8

　　練習問題解答例
　　索引