示差走査熱量分析
DSC法
DSC法(Differential Scanning Calorimetry:示差走査熱量測定法)は、試料を昇温または降温させながら、試料と基準物質の差から熱量を測定する測定方法です。
当社では入力補償型DSC、熱流束型DSCを保有しており、金属や樹脂、フィルムなど様々な材質の測定が可能です。
測定温度範囲は入力補償型DSCが室温~300℃、熱流束型DSCが-30℃~550℃になります。
【測定原理】
入力補償型DSC
独立した試料と基準物質のホルダーにそれぞれ温度センサーとマイクロヒータが付いており、プログラムに従い制御されます。
基準物質と試料の間に温度差が生じたとき、その差がなくなるようにヒータ入力電力が調整され、そのときの入力電力の差をDSC曲線として出力します。

パーキン・エルマー社の内熱式入力補償型DSCの構造図
熱流束型DSC
装置に試料と基準物質を1つの加熱炉の加熱ブロック上で、指定されたプログラムに従い一定速度で昇降温させます。その時の試料と基準物質の温度差を測定し、DSC曲線として出力します。原理的にはDTAと類似していますが、異なる点としては定量的な測定ができることになります。
DSC法での規格
JIS K 7121 プラスチックの転移温度測定方法
など
【測定装置・測定例】
入力補償型DSC

PerkinElmer製示差走査熱量計 DSC-7(入力補償型)
熱流束型型DSC

NETZSCH製示差走査熱量計 DSC3500Sirius(熱流束型)

NETZSCH製示差走査熱量計 DSC3500Sirius(熱流束型)でのインジウムの測定例
DSC種類 | 測定装置 | 温度範囲 | 測定雰囲気 |
---|---|---|---|
入力補償型DSC | PerkinElmer製示差走査熱量計 DSC-7 | 室温~300℃ | 不活性ガス中(Ar) |
熱流束型DSC | NETZSCH製示差走査熱量計 DSC3500Sirius | -30℃~550℃ | 空気雰囲気、不活性ガス中(Ar、N2) |